創痕

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無垢の祈り 感想(内容ネタバレなし)

P5クリアしたので感想を纏めようと思っていたんですが、10月22日に「無垢の祈り」という映画を見てきたのでそちらの感想を先に書こうと思います。

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★感想

前置きとして、R18+映画なのでエロ・グロ・リョナ耐性ない方お断り映画です。後ペドフェリア苦手な方も避けた方が無難です。
逆に、過度なグロは期待しない方が良いです。エログロリョナ耐性有り友人と二人で見に行きましたが、二人して「思ったより温かった」という感想でした。エロは割とエグい方向かな。でもそこまで直接的な表現はないです(ペド系表現が多い)。

簡潔に感想を述べると「全く救いのない胸糞系映画」です。なので「映画」そのものを楽しみにする映画ではなく、「映画を見た上で自分で考察し見解を出し話し合える」人向きの考える系映画です。
主人公の女の子(フミ:福田美姫)に現在進行形で降りかかっていく不幸の数々に、「これはフィクションなんだろうか」という錯覚さえ抱きます。最初から最後までドキュメンタリーを見させられているかのような感じで、導入部からの劇薬じみた気持ち悪さがずっと拭えないです。本当に凄い。ここまでヒーローのいない救いのない作品はあんまり見たことがない。
フミがどんなに願っても来て欲しいときにヒーローは現れないし、現れたところで望む救いは訪れない、という私たちの側にも常にある「現実の一端」を繰り返し繰り返しこれでもかと見せつけられます。猟奇的エッセンスが随所に散りばめられた映画ですが、この映画の面白さはそういうところではなくて、「現実にヒーローはいない」っていうのが肝かなと見ていて思いました。
ただ見ただけでは多分この映画の面白さには辿りつかないと思う。一人で見に行くより方向性の合う友人と行って、見終わった後に語り合うと何倍も楽しめる映画です(実際私は映画終わった後カフェでギリギリまで話し込んだんですがめちゃくちゃ楽しかったです)。

ただ自主制作の欠点がちらほら見えるのが惜しい。それが上手く怪しさになっているシーンもあるんですが、場面の切り替わりとか、一部グロ系のチープさにふふってなったりしました。特に、前半は時系列同じなのにあちこちぶつ切りのようにシーンが変わっていくのが話に非常に入りづらかった……。
出だしかなり煩い感じの音楽(ガチャガチャという訳ではなく、重く大きい音がこだまし続ける感じ)がしばらく続くので、耳辛い人は若干注意が必要です。あの音で引き込まれるには引き込まれるんですけど、何せ映画館が小さいのでもう少し音量下げてほしかったかなと思いました。雰囲気は抜群にあります。

福田美姫さんの渾身の演技が非常に良いので個人的にはそれだけでもオススメです。あの意志の強そうな瞳はめちゃくちゃクセになる。後冒頭だけ出てくるおっさんの演技が最高の気持ち悪さでリアリティ凄かったですね。他の方の演技も言わずもがなガチで流石としか言いようがないです。

渋谷アップリンクという映画館で上映されています。終了日未定のようなので多分まだやってるはず。興味持った方は是非行ってあの衝撃を体感してみてください。とことん救いのない乾いた現実味溢れる話が好きな人にはとてもオススメできる映画です。

www.uplink.co.jp

テイルズオブベルセリア クリア感想(ネタバレ有)

サブイベ消化込み道中寄り道有(甲種など)で79時間でクリアしました。
結構テイルズやってきてますが今回はPTメンバー・ストーリー共に非常に良かったです。やってないのは後裏ダンとかです。
せっかくきっちり感想書いたので残しておきます。

★キャラクター

初見は何人か「これ好きになれなそうだな……」という印象を抱くキャラがいたのですが、終わってみたらPTメンバー全員が好きになりました。
今作は過去作の中でもダントツにキャラクターが良いです。ここは本当に自信持って言える。ライフィセットはかわいい。
何が良かったかと言えば「全員が全員自分の信念を持ち、且つ他人の信念を否定しない。だからと言ってぶつからない訳ではなく、必要とあらば対立も辞さない」ってところでしょうか。とにかく一緒に行動すると言っても忌憚なくどんどんぶつかっていくPTで、言葉の応酬や態度に何も遠慮がなかったのが逆に良かった。
結構利害関係一致で仲間になる話が好きなので、ベルセリアのPTの関係は文句なしに好きでした。最初から最後まで凄くドライな関係を保ちながら、最終的には語らないけど一線を越えたある種の信頼関係が築かれている様が本当に格好良いとしか言えない。プレイするとわかりますがマジでドライ。男性陣はさておき女性陣は全然仲良くない。この辺上手いなと思ったんですが今回はお互いに踏み込み過ぎない関係故に、本編でその奥に踏み込むタイミングが非常に練られてるなあと思いました。サブイベやらずとも大体信念に関わる部分は把握できるし。
かと言って普段の態度は乾き過ぎることはなく、会話もポジティブに楽しめるものも多くて、「ドライだけど非常に楽しい」PTでした。本当に稀有だと思う。男性陣のスタンスが一貫して「少年の成長を見守る大人二人」で、これが最高に楽しかった。男性陣の仲がここまで良いのも珍しかったです。アイゼンとロクロウは既に成長が終わっている大人としての参戦だけあって、安心してライフィセットの成長を見守れましたし、ロマンを忘れない二人が本当にお茶目というかなんというか。特にアイゼン。
女性陣は逆に男性陣の仲の良さに比べてドライさが結構際立ってた感じです。仲が良い訳では決してないが、本音でぶつかることができた結果、最終的にドライでありながらもお互いを認め合った同士になれたのかなと思いました。女性陣のぶつかり方が(マギルゥに関しては含みありつつも)貶し合いみたいなものでなかったのも評価高いですね。正面から喧嘩し合ってて後に嫌に残るものがあんまりなかった。
PTメンバーの全員の生きざまみたいなものをストーリー通して見せられている感じで、非常に熱かったです。決戦前の横並びの絵面があんなに格好良いPT後にも先にもテイルズで見たことがない。本当に格好良いダークヒーローPTでした。

★ストーリー

前作から遠い過去編(1000年前だったかな)ということで、TOZとの繋がりがちらつく度にめちゃくちゃわくわくしながらプレイできました。ほのかに匂わす程度では全くなかったですね。本編中ペンデュラムという単語が出てきた瞬間にテンションがあがったのは私だけではないはず。やりながらメモつけてたんですがペンデュラムという単語を認識したときのテンションの上がり方尋常じゃなかった(その後の展開がめっちゃ楽しかった)。
「君が君らしく生きるためのRPG」の名の通りだったという印象です。特にベルベットは最初から最後まで「アルトリウスへの復讐」で動き、そして最後には完遂する、というのがこの手のRPGだと珍しいんじゃないかなあと思いました。大体復讐止めちゃったりするんですよね。彼女の信念が結末においてぶれなかったのは個人的には凄く良かったです。個人的なエゴでも貫き通せばそれはきっと数少ない正義にだって成る。そういうのを見せられた感じです。
ただ、最後にPTメンバーがベルベットが眠ることになってそれに関して何も言わずにあっさり終わってしまったのがちょっと驚きました。声かけくらいあっても良いのでは……?と思うくらいあっさり終わった。ストーリーで一番勿体ないと思ったのはここかも。その他は割と終始きっちり丁寧に描かれていて、TOZでクエスチョンついてた部分の八割ぐらいはしっかり語られた感じです。TOZやってて良かったと思った。TOZが問題編とするならTOBは解決編と言うべきかなと。
TOZは導師の話でしたが、今回は災禍の顕主側の話でとことんダークな印象を受けました。が、決してずっと暗いものではなく、彼ら六人の信念という未来への明るい兆しがそこはかとなく散りばめられていました。言ってもまあ復讐ものなんで感情移入できるかと言われると賛否両論あると正直思う。理由ない人殺しとかあんまり受け付けない人は辛いかも。お綺麗な箱庭世界にエグい感情満載のエゴをぶちまけてぶっ壊していくストーリーなのでハマると凄い楽しい。
プレイしながら英雄とか正義って何なんだろうなと思いました。正義と悪って立場一つ違うだけで一瞬にして変わってしまうもので、やり方さえ違ってたらベルベットたちが導師のように扱われていた可能性だってあった。紙一重の立場の違いみたいなのも前作今作通して面白いところじゃないかな……とか。災禍の顕主であったとしても、人々に不幸を与えたとしても、彼らが成し遂げたものはきっと正義の形の一つだったと思います。ベルベットとラフィがいつか起きるのか永劫眠りについたままかはわかりませんが、二人の願った幸せが訪れるといいな、と切なくなりました。
結論:TOZの未来編はよ。未来で0に戻るだけとか……そんな……!!スレイとベルベットが拓いた先が私は見たいです。話としては二作通して納得できるし良いんだけど今までのテイルズと違ってすっきりしないって感じです。難しい。続編有りのTOXだって世界壊してた(語弊)じゃん!?
なのでストーリーは個人的にTOX2にちょっと軍配が上がります。

★戦闘

Gfにはやや劣るかなって感じです。スピード感はGfかなあ。前作よりは大改善。個人的にはGfの戦闘が一番楽しかったのでどうしてもそこと比べてしまう。X2も好きなんですが系統がちょっと違うかなと思うのでそことは比較しません。□からL1防御変更は慣れてしまえば余裕だったので気にならず。
スイッチブラストが最高に便利。BGさえ保っておけばスムーズにキャラの切り替えが可能でPTメンバー誰でも使えて本当に楽しい。X2で言うウェポンシフトみたいな楽しさがある。
ブラストソウルはロクロウとアイゼンとマギルゥ(特に後者二人)は使うタイミングがちょっと慣れないと悩ましいかもしれないと思いました。ブラストソウルはダントツでベルベットが気兼ねなく使いやすい。ベルベットは喰魔状態ならHP1で死なないのを利用して、アイテムで他のメンバー回復させて態勢整えたりとかしてました。
とにかく戦闘はスタンと弱点連携ゲーなのでまず如何にスタンさせられるかが勝負で、弱点を押さえつつスタン狙ってSG維持しつつブラストソウルして~って感じが良いかなと。下手なのですぐSGを切らすし弱点技を忘れる。
ほぼベルベットメインで進めてしまったのでどのキャラが良かったとかは言えないんですが、使いやすさ的にはベルベットとエレノアをメインサブで使用しスイッチブラストで入れ替えつつ、スペルアブソーバー持ちのマギルゥを術士来たときに入れ替えるって感じが個人的にはやりやすかったです。
秘奥義はGfと同じ感じでバンバン発動できるのが凄い楽しかったですね。CPUでもガンガン発動してくれます。ほっといても第一は死ぬほど見れるので楽しい。まだ第三見れてないんで頑張ります。
一番の戦闘の改善面は何といってもカメラワークです。本当に心底安心したところです。気になりすぎて体験会三回プレイした。
前作のあのクソカメラ(擁護しない)から一転してめちゃくちゃ見やすくなってました。変になってもリセットすれば良いし、戦闘だけに集中できる環境がここにはありました。
防御でカメラリセットは後半になってくるとカメラ移動に慣れてきて要らないかな……?とも思わなくもなかった。自由にカメラが動かせると聞いて最初不安だったんですが本当に快適な戦闘がお約束されていました。これだけで戦闘面の評価鰻登り(ちょろ甘)。たまに端に迫ったりすると挙動がおかしくなるところもありましたがほぼほぼ気にならないレベルでした。
後CPUのアラステ能力高すぎてびびった。二周目は武器の強化値とか上げてより快適な戦闘を目指したいところ。

★音楽

音楽は水の神殿が良すぎたのでTOZの方が好きですね。あれを聞くために神殿でたむろするくらいには好き。
ベルベットのテーマは非常に盛り上がりがあって演出との相性が良かったように思います。後はロウライネの神秘的な音楽が良かったかな。
音楽で思い入れあると言うとTOA一強なんですが、あれはもう藤原さんのところによるものが大きいのでちょっと比較しづらい(BUMPファンです)。相変わらず良曲揃いであったけどTOZには一歩及ばずという感じでした。

★システム面とか

装備のスキルマスターするのがちょっとだるい。これだと装備の強化システムは要らなかったように思いました。固有スキル以外は完全にランダムだったので、むしろ特殊スキルついた装備を作れるシステムだったら良かったのかも?この辺は好み別れるかもしれない。
異海探索は本当に楽しかったです!各歴代の小ネタありつつ、色々なものを発見できる楽しみや宝物庫の会話文とか凄いわくわくしながら楽しめた。TOX2のネコ派遣をよりパワーアップさせて帰ってきた感じでした。アイゼンの立ち絵が半端なく童心溢れててかわいい。是非今後のテイルズでもこういうの継続していって欲しいです。欲を言えば宝物庫のはスキット欲しかったですね。
スキットの演出今回最高に面白かったし楽しかったです。サブキャラもたくさんスキットに関わったり、表情がとても多かったりと読むのが毎回楽しみでした。ボリュームも非常に多かったしこれ今後も続けてほしいなと思う。
一つ不満点を挙げるならレアボードの入手の遅さと不便さですね。終盤も終盤過ぎる上、地相樹探しの面倒臭さが駄目な部分かなと。TOZのぼったくりワープもどうかと思いましたがこっちの方が手間だった。


諸々細かく気になる点はあったりしますが、TOBは本当に満足度100点近いくらいにやり込めたしのめり込めました。元々暗いのが好きなので肌身にあってたのもあるんでしょうがそれ抜いても面白かったと言えます。というか過去編、初の女性主人公、前作の評価など難所がいくつもありながらよくここまで面白い作品になったな。凄いよ。めちゃくちゃ楽しかったです有難うございました!!!!!